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soyokaze

2010年07月27日

二つの世界の夢


 私は薄暗い大広間のような場所にいました。酒池肉林の宴会の最中で、テーブルには料理や果物が山盛りに積まれ、そのまわりではあられもない姿の男女が恥かしげもなく抱き合っていました。まともに服を着ているのは私一人だけで、何だか場違いな所へ迷い込んでしまった気持ちになりました。呆然として周囲を見回していましたが、そこに渦巻くのは動物的な欲情ばかりなのに気が付き、黙ってその場を立ち去りました。

 次に、私は屋外の明るく広々とした場所にいました。大きな事故の現場らしく、人々が救助のために駆けまわっていました。活動の指図をしている人、負傷者たちの世話をしている人々、彼らはみなわれを忘れて必死でしたが、その態度にも顔の表情にも精神的な輝きが感じられました。

 気品のある1人の婦人が近寄ってきて私に話しかけました。
「あなたがご覧になったのは、人々が死後に行く二つの世界です。一つ目は、欲と快楽の世界。二つ目は、愛と美の世界です。しかし、二つ目の世界の扉は、もはや閉じられかけています」。

 驚いて、私は反論しました。
「でも、善行を積んでいる人は沢山いるはずです」。
 すると、婦人は静かに微笑みました。
「ほとんどの人々は、神を信じておりません。彼らは職業として、あるいは自らの心の慰めのために善行を行うのです」。

 私は、さらに反論しました。
「でも、宗教を信じている人は大勢おります」。
 不思議な婦人は、微笑みながら答えました。
「自分が救われたいためにではなく、なんらかの見返りをも求めずに信仰している方が、どれほどおられるでしょうか」。
 その答えに絶句して、私は目が覚めました。

 上記の夢の記録は、心覚えのメモなので日付もはっきりしないものですが、私の最初の回心のあと教会に通い始めて熱心にロザリオを祈っていた1989年から1990年頃に見た夢という記憶があります。まだカトリックの洗礼を受ける前の時期です。十数年を経たいま読み返してみても、何か私個人の範囲を超えた問題が提示されているように感じますので、報告することにしました。



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Posted by soyokaze at 18:18 │報告文集